日産「追浜工場」は生き残れるか? 鴻海EV協業で問われる「完成車メーカー」の定義
日産が鴻海とEV協業を模索する追浜工場の存続問題は、国内自動車産業の構造転換を象徴する。約2万人の人員削減と工場再編を掲げる中、外資との異例連携が生産モデルと権限配分の再定義を迫る。EVの市場拡大にともない、設計思想と品質基準の継承が経営の重大課題となっている。
旧モデル崩壊と再生の試行

日産が掲げる再建とEV戦略は、鴻海との協業によって新たな局面を迎えつつある。追浜工場に託されたのは、単なる雇用維持や地域経済の延命ではない。自動車産業が本質的に何を生み出す場であるべきかという根本的な問いがそこにある。
既に明らかなのは、旧来のものづくりモデルが通用しない時代に、日本の工場が生き残るための試行錯誤が始まっているということだ。
その先に、持続可能な新たな生産形態を描けるかどうか。この協業の行方に、国内自動車産業の縮図が映し出されている。