最高気温41度! 埼玉県熊谷市はなぜ「日本一暑い街」と言われるのか?
熊谷暑さ報道の圧倒的優位

熊谷市は埼玉県北部に位置し、旧武蔵国大里郡の地域を含む市である。かつて熊谷県の県庁が置かれ、現在は約19万人の人口を擁する。
江戸時代には中山道の宿場町・熊谷宿として栄え、2005(平成17)年に妻沼町と大里町を合併、2007年には江南町を編入して規模を拡大した。2009年には特例市に指定され、県北部の経済拠点として農業や製造業も盛んだ。祭りや観光資源も豊富で、関東一の祇園祭と称される熊谷うちわ祭りや花火大会、国宝の妻沼聖天山歓喜院が有名である。
そんな熊谷市は本当に暑い。筆者(昼間たかし、ルポライター)も1990年代に2年ほど住んでいたが、その暑さは格別だった。まだエアコンが普及していなかった時代で、扇風機だけで夏をしのいでいたものの、日中は扇風機の前から一歩も動けないほどだった。
ただし、日本には熊谷以外にも暑い町がある。たとえば山形県山形市は1933年7月25日に40.8度を記録し、長らく日本最高記録として74年間破られなかった。この記録が塗り替えられたのは2007年8月16日で、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市がともに40.9度を記録した。その後、日本の暑さは一層深刻になっている。現在の最高気温記録の上位は以下のとおりだ。
・静岡県浜松市:41.1度(2020年8月17日)
・埼玉県熊谷市:41.1度(2018年7月23日)
・栃木県佐野市:41.0度(2024年7月29日)
・岐阜県美濃市:41.0度(2018年8月8日)
・岐阜県金山町:41.0度(2018年8月6日)
このように熊谷市と同等の記録を持つ地域はいくつも存在するが、それでも熊谷市の“暑さ報道”における扱われ方は群を抜いている。
ポータルサイト「@nifty」の新聞・雑誌横断検索で「暑い」と各都市名を組み合わせて調べたところ、熊谷市が3019件、山形市が1784件、多治見市が2141件だった。多治見市は何度か「日本一暑い街」の称号を得ているが、メディアでの露出は熊谷市に及ばない。熊谷の暑さは単なる記録だけでなく、すでにイメージとして定着しているといえる。