最高気温41度! 埼玉県熊谷市はなぜ「日本一暑い街」と言われるのか?

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猛暑報道の定番である熊谷市。東京から約40分の利便性と公式気象台の存在が取材を容易にし、2024年には「熊谷 暑い」の報道件数が107件に達した。数値だけでなく、地域イベントや冷却対策で暑さを魅力に変え、都市ブランドとしても注目されている。

暑さを経済に変えた街

熊谷駅(画像:写真AC)
熊谷駅(画像:写真AC)

 そんな熊谷市だが、暑さばかりが報道されてネガティブな印象が広まっているわけではない。2023年の熊谷市の観光客数は合計385万9765人に達している(観光地点247万3079人、イベント138万6686人)。これは埼玉県内の市町村で第8位の数字だ。

 熊谷の代表的なイベントである夏のうちわ祭りや花火大会は、暑さによって客足が鈍ることはない。人口も2025年3月1日現在で19万558人で、前年同期比で1175人の減少となっているが、まだ許容範囲内である。つまり、暑さはプラスにはなるが、マイナスにはなっていないのだ。

 同様の暑さを抱える群馬県館林市は、2007(平成19)年8月16日に最高気温40.3度を記録している。これをきっかけに館林市も暑さを売りにしたPRを行ったが、現在はその流れが終息し、主に「指定暑熱避難施設(クーリングシェルター)」など熱中症対策を進めている。暑さで知られる多治見市も同様の対策を行っている。

 このように、熊谷市は単に暑い街として話題になるだけでなく、暑さ対策や観光資源化を通じて都市ブランドを磨いてきた稀有な例である。気候条件の暑さを逆境とせず、都市の魅力や経済活動に転換した点で他地域との差別化に成功している。

 気候変動により深刻化する暑さ問題に対し、ストレートなPRから早期に対策推進へシフトしたことは正解だった。こうして熊谷市は、暑いだけでなく対策も進んでいる都市として報道で注目されるようになっている。まさに暑さを地域資源として活用し、成功した事例が熊谷市なのである。

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