なぜマレリは「2度目の破綻」に追い込まれたのか? 負債1.2兆円と「日産依存3割」の呪縛――インド社主導の再編劇が突きつける“非情な現実”
2度目の経営破綻に追い込まれたマレリ。負債総額1兆2000億円という巨艦サプライヤーの迷走は、日産依存の歪みと買収後の統合不全に起因する。マザーサンによる再建が進めば、日本の部品産業や全国2942社の取引先に及ぶ構造転換の引き金となる可能性がある。
再建社、グローバル44か国展開

前述のとおり、マザーサン・グループがマレリ再建に名乗りを上げた。
同グループは1975年、ヴィヴェク・チャンド・セーガル会長によって設立された。1977年からワイヤーハーネスの生産を開始し、1986年には住友電装との合弁会社を設立して日本の自動車メーカーとの取引を開始した。1993年にインド証券取引所に上場し、資金調達力を強化。過去20年間で43件のM&Aを実施している。
2024年の売上高は9869億インドルピー(約1兆6600億円)で、前年同期比25%増を記録。主要取引先にはメルセデス・ベンツ、アウディ、フォルクスワーゲンなど欧州の自動車メーカーが名を連ねる。
製造拠点は世界44か国に展開し、グローバルな自動車メーカーのニーズに対応している。さらに、M&Aを通じて製品ポートフォリオの拡大を進めている。2023年にはホンダ系列の八千代工業から燃料タンク・サンルーフ事業を、市光工業からミラー事業を買収し、日本の自動車メーカーとの取引も拡大している。
マザーサンによるマレリ買収が実現すれば、日本の自動車産業における存在感は一段と強まる。電動化対応の強化に加え、ステランティスなど欧州自動車メーカーとの取引拡大も期待される。売上高は世界の自動車部品メーカートップ10に入る規模になると予想される。