「離島物流」大ピンチ――内航船員の半数50代超え、高齢化がもたらす“ドローン頼み”の限界とは

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日本の離島物流は内航海運によって支えられ、地域の生命線として機能している。だが船員の半数超が50歳以上で、人手不足や燃料費高騰など課題も深刻だ。2023年の法改正やデジタル技術導入で、持続可能な物流再構築が急務となっている。

離島輸送の構造課題

実験に用いる新造フェリー「それいゆ」(画像:日本財団)
実験に用いる新造フェリー「それいゆ」(画像:日本財団)

 日本の離島地域は、日常生活や産業活動の多くを本土からの物流に依存している。その物流を支えるのが内航海運だ。内航海運とは、日本国内の港と港のあいだで貨物や旅客を運ぶ海上輸送のことを指す。たとえば、東京から北海道や九州、離島などへ貨物を輸送する船舶が該当する。

 特徴は4点ある。第一に、国内専用の輸送手段であること。外国の港を経由せず、すべて日本国内の港で完結する。第二に、貨物中心の大量輸送に適していること。自動車や建設資材、食品、生活物資など、幅広い物品を効率的に運べる。第三に、離島のライフラインとしての役割を担っていること。陸路や鉄路が届かない地域では、生活と産業の基盤を支える唯一の手段となる。第四に、国内法に基づく制度保護がある点だ。原則として、日本船籍の船舶を使い、日本人の船員が乗務する。

 内航海運は陸上輸送と比べて環境負荷が低く、物流の将来を担う手段として期待されている半面、深刻な課題も抱える。船員の高齢化と人手不足が進み、運航コストも上昇している。とくに離島輸送は収益性が低く、担い手不足が深刻だ。

 こうした現状に対し、国や自治体、民間企業が連携し、支援策を講じる動きが広がっている。持続可能な物流インフラとして、内航海運の再構築が求められている。

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