なぜEVは「日本で嫌われる」のか? 充電インフラ・航続距離だけじゃない「アンチ」の根深さ! 語られない不安の正体とは

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日本の新車販売に占めるEV比率はわずか約2%。普及が進まない背景には、価格やインフラの課題だけでなく、産業構造の硬直性やエネルギー政策の矛盾、さらには技術覇権を巡るナショナリズムまでが絡んでいる。産業と社会の深層に根ざす「EV忌避」の実態を検証する。

EV環境負荷の現実と課題

 日本のEV普及を論じる上で、エネルギー政策は避けて通れない課題である。現在の日本の電力構成は、火力発電が68.6%を占める一方、再生可能エネルギーは21.7%、原子力発電は8.5%にとどまっている。EV普及を加速させるには、火力発電依存から再生可能エネルギーへの転換が不可欠だ。

 2025年4月、トヨタ自動車の豊田会長は米自動車専門誌のインタビューで、

「トヨタが販売したハイブリッド車2700万台による排出ガスは、900万台のEVに相当する。なぜなら、日本では火力発電が多いからだ」

と述べた。日本の電力が火力発電に依存しているため、EV1台がハイブリッド車3台分の環境負荷を抱えているとの指摘である。加えて、

・原発再稼働の見通しが不透明であること
・送電網の老朽化

もEV普及の障壁となっている。送配電網の更新や急速充電ステーション設置には巨額の投資が必要だが、その費用負担の議論は事実上棚上げされたままだ。

 一部のEVアンチは、電力不足や電気料金の高騰を懸念材料として挙げ、EVへの前向きな評価を拒む言説を展開している。こうした主張は、根拠の乏しい不安を煽っている面も否めない。

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