なぜEVは「日本で嫌われる」のか? 充電インフラ・航続距離だけじゃない「アンチ」の根深さ! 語られない不安の正体とは

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日本の新車販売に占めるEV比率はわずか約2%。普及が進まない背景には、価格やインフラの課題だけでなく、産業構造の硬直性やエネルギー政策の矛盾、さらには技術覇権を巡るナショナリズムまでが絡んでいる。産業と社会の深層に根ざす「EV忌避」の実態を検証する。

558万人を支える雇用基盤

日本自動車工業会発行「2024 日本の自動車工業」より抜粋(画像:日本自動車工業会)
日本自動車工業会発行「2024 日本の自動車工業」より抜粋(画像:日本自動車工業会)

 日本の自動車産業は、我が国の基幹産業のひとつである。産業構造上、その重要性はこれまで重視されてきた。日本自動車工業会によると、2022年の自動車製造業の出荷額は62兆7942億円に達する。これは全製造業の約17%、機械工業全体の約39%を占める規模だ。

 また、日本各地に分布する自動車メーカーの工場は、企業城下町を形成している。これにより地域経済や地元の雇用に大きな影響を及ぼしていることも特徴である。

 自動車関連産業の就業者数は558万人にのぼる。これは日本の全就業者の約8%に相当する。販売店や修理・整備業者、金融業、運送業などが周辺を取り囲み、広範な産業群を形成している。

 EV普及の推進には大規模な技術転換が不可欠だ。しかし、裾野の広い自動車産業の規模が、かえって障害となっている。加えて、慎重な姿勢を強めるメカニズムも働いており、拙速な事業転換が進みにくい側面がある。

 その結果、自動車産業とその周辺には、EVシフトに対して慎重にならざるを得ない空気が漂っている。

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