多摩モノレール「実質37億円」負担で延伸――上下分離を超える“分担型整備”の現実性と波及効果とは

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多摩都市モノレールの約7km延伸が正式認可された。総事業費約1180億円のうち、約8割は国・東京都・沿線自治体の公的資金で賄われる一方、民間事業者も運行設備投資を自己負担する独自の費用分担モデルが注目される。1980年代からの制度設計が実を結び、財政負担を分散しつつも経営リスクを適切に配分することで、2030年代半ばの開業に向けた持続可能な延伸事業の実現に道を開いた。

低迷期乗り越えた再建戦略

 多摩都市モノレールの延伸は、長年にわたり懸案となってきた。その構想が東京都の長期計画に盛り込まれたのは1982(昭和57)年。具体化に向けた動きが始まったのはその頃である。1986年には運営母体となる多摩都市モノレールが設立され、1990(平成2)年に着工。1998年に立川北~上北台、2000年には多摩センター~立川北が相次いで開業した。

 しかし、それ以降の延伸計画は停滞が続いた。この路線は1980年代の経済成長を前提に構想されたものだった。だが、実際に開業した1990年代後半は景気後退の局面にあたり、当初の想定よりも乗車人員が伸び悩んだ。結果として、用地取得など初期投資のための借入金が経営を圧迫。2003年には債務超過に陥り、累積損失は最大で242億円に達した。

 転機が訪れたのは2008年。多摩都市モノレールは経営安定化計画を策定し、東京都および沿線自治体の財政支援を受けながら経費削減を進めた。これにより、経営状態は徐々に改善し、一定の安定軌道に乗ることとなった。

 ただし、経営環境は依然として不安定だ。コロナ禍によるテレワークやオンライン交流の定着は乗車人員の減少につながり、経営への懸念が再燃している。加えて、少子化による沿線人口の減少、施設・設備の老朽化にともなう大規模更新の必要性も重い課題としてのしかかる。

 こうした厳しい状況のなかで、今回の延伸実現には大きな意味がある。なかでも評価すべきは、インフラ整備における公民分担のモデルを早期から導入し、リスクを抑制してきた点にある。1980年代から続くこの構造的工夫が、事業継続性の確保と延伸の実現に寄与したといえる。

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