「運転するな」「免許返納しろ」…じゃあ、高齢ドライバーはどう移動すればいいのか? 制度なき“正論”が生む交通弱者という構造的孤立
地方の高齢者が免許を返納すれば、移動手段の喪失による孤立が進む。公共交通は減少し、自治体の財政も逼迫。安全と生活維持の両立に向けた制度改革が急務だ。
移動喪失が招く生活崩壊

地方に暮らす高齢者が、自家用車を手放すことは、
「移動権の剥奪」
と同義である。交通事故のリスクと、移動の必要性。このトレードオフを、道徳や善意で片付けることはできない。制度的な再構築なくして、この問題の解決はない。
「彼らに何をしろというのか?」
この問いに正面から向き合うためには、安全と生活の両立という現実的な線引きを、社会全体で引き直すしかない。
そうしなければ、いまもどこかでひとり、外に出られず、声も上げられず、孤独のなかで朽ちていく高齢者がいるという、経済的にも非効率で倫理的にも看過できない現実は、何も変わらないのだ。