我が子の命を危険に!? 「お下がり中古車」が招く10代ドライバーの死亡リスク──製造15年超で致死率31%増、親が知るべき「安全な車選び」
死亡事故率は低年式車で最大31%増――。運転経験の浅い10代が古い車に乗るリスクが注目されるなか、研究者は「最も安全な一台を」と警鐘を鳴らす。新たな研究が示した、家庭の選択が命を左右する現実とは。
親の愛情が生む危険

腕時計やネクタイピン、万年筆など、親から子へ受け継がれる品は少なくない。車もそのひとつだ。免許を取ったばかりの子に、自分が乗っていた車を譲る親は多い。あるいは、免許取得の祝いとして、安価な中古車を与えるケースもあるだろう。
しかし、こうした選択については再考の余地がある。近年の研究で、製造から年数の経過した車両は、衝突事故時の運転者の死亡リスクが高いことが明らかになった。特に免許取得直後の10代の若者は、低年式車を運転する割合が高い。この傾向が、若年層の致死率を押し上げる要因となっている。
モータリゼーションが進んだ米国では、多くの州で16歳から運転免許が取得可能だ。オハイオ州では15歳、モンタナ州など一部地域では条件付きで14歳から免許取得が認められている。
こうした早期の免許取得は、通学や日常の移動手段を拡大させる一方で、自動車事故が10代の死亡原因の第一位となっている現実もある。そして、その主因として指摘されているのが、若者による低年式車の運転である。最新の研究は、そのリスクを裏付けている。