コメ価格「決して高くない」 JA全中会長の発言が全然問題ないワケ
2025年春、日本の主食であるコメの価格が急騰し、5kgで約2倍に。消費者からは不満の声が上がるなか、JA全中の山野会長は「決して高くない」と反論。その根底にある合理的な理由とは。コメ価格を巡る複雑な流通の構造と、経済全体に与える影響を解明する。
価格決定の非効率性

JA全中が問題にしているのは、精米業者、卸業者、大手小売業者の間で価格がうまく伝わらないことだ。JAは農家から玄米を買って精米し、最終的にスーパーに卸すが、その間の価格設定がわかりにくく、効率が悪い。
コロナ後、精米業者が小さくなったり、系列化が進んだため、価格を決める権限が複数にわかれている。これにより、価格が市場の需給に合わず、硬直してしまっている。これは都市部のタクシー業界のように、需要と供給がうまく合っていない状況に似ている。需要と供給のギャップがあっても、最終的な価格には柔軟性がない。
米の価格が2倍に上がったため、大手外食チェーンの一部は、すでに輸入米に切り替えている。タイやカリフォルニア産のジャポニカ米は関税があっても、国産米より安く調達できるからだ。ここで問題なのは、価格が高いか安いかではなく、物流の柔軟さと調達のしやすさだ。国産米は
「地域密着性が高いが、物流が弱い」
農産物だ。海外からの米は、グローバルな輸送網に乗ってくるため、一定の価格競争力を持つのは当たり前だ。最近、ECで農産物を直接売ることが増えているが、これはJAの物流構造が新しい市場に対応しきれていないことを示している。