日産は“どん底”から復活できるのか? 「売れる車がない」「93%減益」状況を打破へ! カギを握る新型EVとミニバンの正体とは

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北米で赤字転落、純利益は93.5%減――経営危機が深刻化する日産が、商品戦略の大転換に乗り出した。新型リーフや第3世代e-POWER、大型ミニバン刷新など、2025年度からの新車攻勢が反転攻勢の試金石となる。

「どん底」日産が掲げる復活計画

日産自動車のロゴマーク。2022年1月14日撮影(画像:時事)
日産自動車のロゴマーク。2022年1月14日撮影(画像:時事)

 2024年の日産自動車は、極めて厳しい状況に直面していた。2024年4~9月期の連結決算では、純利益が前年比93.5%減と大幅に悪化。主力の北米市場でも赤字に転落し、経営危機が表面化した。

 巻き返しを図るため、ホンダとの経営統合を模索したが交渉は決裂。依然として危機の渦中にある。こうしたなか、業績低迷の責任を取り内田誠CEOが辞任。後任としてイヴァン・エスピノーサ氏が最高経営責任者(CEO)に就任し、その動向が注目されている。

 エスピノーサ氏の就任にあわせ、日産は3月26日に中期の商品・技術戦略を発表。今後の改革姿勢を明確にした。主なポイントは次のとおりだ(同社ウェブサイトより抜粋)。

・新型車とマイナーチェンジ車でセグメントのカバー範囲を拡大し、ラインアップを活性化
・e-POWERを含む次世代技術で商品競争力を向上
・市場毎にお客さまニーズに合わせた最適な市場戦略を導入

 内田体制では、新車投入の停滞により、国内外で商品ラインアップが硬直化。販売現場からも「売れる車がない」との声が上がっていた。業績不振の背景には、インセンティブの増加による営業利益の圧迫や市場環境の変化などがあるが、根本的な要因は新型車の開発・投入の遅れにある。

 エスピノーサ氏は、これまで商品企画部門を統括しており、現場を熟知する人物だ。CEO就任により、商品戦略を自らの手で主導できる立場となった。停滞が続いた日産の商品戦略が、彼の下でどこまで加速するか。再建への第一歩として、その手腕に期待がかかる。

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