日産は“どん底”から復活できるのか? 「売れる車がない」「93%減益」状況を打破へ! カギを握る新型EVとミニバンの正体とは
北米で赤字転落、純利益は93.5%減――経営危機が深刻化する日産が、商品戦略の大転換に乗り出した。新型リーフや第3世代e-POWER、大型ミニバン刷新など、2025年度からの新車攻勢が反転攻勢の試金石となる。
海外市場で苦戦するe-powerは弱点の克服へ

日産独自のハイブリッドシステム「e-POWER」は、これまで国内向けに幅広く展開されてきた。一方で、米国市場には投入されてこなかった。
その理由は、e-POWERが中低速主体の日本市場では高い燃費性能を発揮する一方で、高速巡航が多い欧州や米国では効率が悪く、競争力を欠いていたためだ。e-POWERはモーターで走行し、エンジンで発電する方式を採用している。出足の加速力や静粛性は強みだったが、高速域での燃費が伸びず、特に北米では他社HVに対して分が悪かった。
こうした背景から、日産は世界最大の自動車市場である米国においてHVの販売が振るわず、業績低迷の要因のひとつとなっていた。
しかし、次期型の第3世代e-POWERでは、こうした課題の多くが改善される見通しだ。新型システムは高速走行時の燃費を最大15%向上させると発表されている。これにより、欧州や米国への展開が現実的になった。
また、BEVとの部品共用によってコストダウンも図られる。HVとしての実用性と収益性の両立を目指す。第3世代e-POWERは2025年度後半に欧州向け「キャシュカイ」へ、2026年度には北米向け「ローグ」、そして日本向け大型ミニバンにも搭載予定である。
商品競争力の強化は、日産復活のカギを握る。現在、エスピノーサCEOのもとで役員や人員の削減も進行中だが、それ以上に売れる車の投入が求められている。
ゴーン体制以降、迷走が続いた日産だが、水面下で進めてきた車両開発がようやく形になり始めた。この2年が、日産にとって再生の正念場となる。