新幹線「指定席なのに」なぜ並ぶ!? ホームの行列に隠された謎! SNSで話題沸騰、時間・快適さ・秩序…移動経済の深層とは
指定席なのになぜ並ぶのか。新幹線ホームに広がる「見えざる競争」の実態。快適性、荷物スペース、安全――多様な動機が複雑に絡み、1日約45万人の行動に影響を与える“列”の経済合理性とは。
「並ぶ」行動の未来と選択

テクノロジーの進化や設計の工夫で、並ぶという行動は将来的に消えるのだろうか。例えば、
・乗車タイミングを細かく制御するアプリ
・荷物スペースを事前に予約できるシステム
・柔軟なドア設計
などが普及すれば、現在の行動パターンは変わるかもしれない。
しかし、個々の価値判断で並ぶことを選んでいる以上、この行動が完全に消えることはないとも考えられる。人間の行動は制度や技術だけでは説明できない。移動の場は単なる物理的な移動だけでなく、流れる空気や心情を映す社会の鏡でもあるからだ。
新幹線ホームの列は、乗車前の行列だけではない。それは、移動という営みにおける人間の微細な判断と、その積み重ねがつくる秩序の形だ。そこには見えざる最適化の連続があり、私たちは日々、その選択のなかにいる。