「ホテルが見つからない」 大阪万博またピンチ! 稼働率全国トップの80%超え、宿泊費2~3倍高騰も! 宿泊難民続出で、兵庫県へ“避難”勧告の現実か
訪日客急増で大阪の宿泊難深刻化

大阪・関西万博が4月13日、大阪市此花区の人工島・夢洲で開幕する。大阪府内の宿泊施設は稼働率が高止まりし、事実上ほぼ満室の状態だ。宿泊需要のひっ迫が万博の集客にも影響を及ぼす可能性がある。
キャリーケースを手にした男性が大阪市中央区の大阪メトロ本町駅から近くのビジネスホテルへ向かう。東京都港区で働く29歳のサラリーマンで、取引先との打ち合わせで来阪した。「大阪のビジネス街で手ごろなホテルが見つからなくて困った。料金も結構、上がっている」と苦笑いする。
このホテルは客室数100以上あるが、部屋はほぼフル回転。平日なら1万円を切っていた料金が倍増し、万博開幕直前の週末なら料金は3万円程度にはね上がる。それでも4月上旬の平日、館内は多くの訪日外国人観光客が宿泊し、中国語や韓国語が飛び交っていた。
関西空港(泉佐野市など)と大阪ミナミ(中央区、浪速区)を結ぶ南海電鉄の列車は、多くの訪日客を運んでいる。東海道新幹線が発着するJR新大阪駅(淀川区)では、列車が到着するたびに、訪日客で構内があふれている。ミナミの戎橋など道頓堀界隈は連日、訪日客で満杯状態だ。
大阪府内の客室稼働率80%に

大阪・関西万博で来阪観光客のさらなる増加が予想されているにもかかわらず、府内のホテル旅館客室稼働率は2024年12月段階の観光庁調査で全国トップの80%に達した。この数字は宿泊業界でほぼ満室を意味するという。
府を2024年に訪れた訪日客は大阪観光局の推計で約1470万人。前年を47%、コロナ禍前の2019年を19%上回って過去最高となった。観光庁がまとめた2024年の府内訪日客延べ宿泊数は約2530万人泊で、前年より35%、2019年より41%多い。宿泊客全体の45%を訪日客が占めている。
その結果、宿泊単価は上がる一方。府の調査では2023年のホテル旅館平均宿泊単価は2017年より543円高い7765円だったが、旅行予約サイトで大阪市内を検索したところ、2023年より2~3倍高い部屋が出てきた。万博出展企業関係者からは
「大阪市中心部や会場近くでホテルが見つからない」
との声が上がり、早くも宿泊できない悩みが浮上している。