トヨタ・クラウン変革の成否を問う! 4モデル戦略はブランド再構築か「拡散」か? セダン離れ、多様化路線…10年後のクラウン、その価値とは
トヨタの「クラウン」4モデル戦略が発表から2年半を経て、ついに全貌が明らかになった。セダンからクロスオーバー、スポーツ、エステートへと多様化を進めた。しかし、その戦略はブランド価値を拡散させたのか。40年以上の歴史を持つクラウンの再構築が成し遂げられたのかを検証する。トヨタの次の一手と、自動車業界の未来を占う重要な分岐点だ。
高級セダンの進化と挑戦

2025年3月、トヨタの「クラウン」シリーズにエステートが加わり、計画された4モデルがついに揃った。
クロスオーバー、スポーツ、セダン、そしてエステート。近年は高級セダンのイメージが定着していたが、かつてはワゴンやハードトップなどのバリエーションも存在していた。今回の4モデル展開は、過去の多様性を現代的に再解釈したものといえる。
クラウンは国内で官公庁や企業の公用車、タクシーとして広く採用され、個人ユーザーからも支持されてきた。高級セダンの代名詞として確固たるブランド価値を築いてきたが、近年はSUV人気の拡大や若年層のクルマ観の変化により、国内セダン市場は縮小傾向にある。
そのなかでクラウンは新たな方向性を模索し、クロスオーバーやスポーツといった「従来のクラウン像」とは異なるモデルを導入した。