“抜け道”発覚で「物流改革」破綻!? ネットで広まる「実運送体制管理簿」回避術! 国交省のお粗末設計、多重下請構造の闇ふたたび?

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今春から作成が義務化された実運送体制管理簿には、義務を回避する抜け道が存在していた。政府は本気で多重下請構造を解消するつもりがあるのか。厳しく問いたい。

25年施行の改革、多重下請けにメス

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 運送業界では、以前から多重下請構造が問題視されてきた。全日本トラック協会も「トラック運送業界の大きな課題である多重下請構造は、実運送事業者に支払われる運賃の低下につながる」と警鐘を鳴らしている。その理由として、次の点を指摘している。

・標準的な運賃は、実運送事業者が収受すべきものであるが、令和4年度の国土交通省の調査では、全体の2割しか希望額を収受できていないことが明らかになっており、下請の立場にある事業者の運賃は更に低い水準に抑えられている実態がある。

・いわゆる水屋は、全てではないものの、輸送に関しての無責任さ、明確な運行指示のない単なる横流しを行う実態があるため、何らかの規制をすべきである。

※以上は「多重下請構造のあり方に関する提言」(全日本トラック協会、2024年3月)より抜粋。

 多重下請構造は、業界の99%を中小企業が占めるという業界特性から自然発生的に生まれたものでもある。筆者は以前、当媒体に「率直に言う 運送業界の「多重下請け」は必要悪である」(2023年9月3日配信)という記事を書き、この状況を“必要悪”として論じた。

 しかし、下請けの立場にある運送会社の経営状況や、そこで働くトラックドライバーの待遇には深刻な課題がある。だからこそ、多重下請構造の解消は業界の健全化に不可欠だ。ひいては、日本が直面する物流クライシスの回避にもつながる。

 その切り札として、2025年4月1日から施行されるのが実運送体制管理簿だった。運送業界からも大きな期待が寄せられていたのだが……。

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