「大型車 = 安全」はウソだった? 車重1.8トン超えはむしろ危険? 走る凶器? 死亡率7人増の現実データ、米国研究が指摘する意外なリスクとは
「大きい車ほど安全」という常識に疑問を投げかける米国道路安全保険協会(IIHS)の新研究。車両重量の増加が安全性向上に寄与するのは一定の範囲にとどまり、それ以上の増加は衝突事故時に相手車両への危険性を高めることが明らかに。大型車選択のリスクとは。
SUV・ピックアップの安全性向上

IIHSは長年にわたり、異なる車両間の衝突時における乗員の相対的安全性を研究してきた。この研究は、車両の構造や大きさの違いが衝突時にどのような影響を与えるかを明らかにし、特に大きな車両が小さな車両の乗員に与える影響に焦点を当てている。
事故時には、同乗者の安全性の確保と同じくらい、相手車両への加害性にも配慮する必要があり、
「両立性(双方のリスクを分け合う)」
が重要であるという視点から衝突両立性の概念が生まれた。
かつて、SUVやピックアップトラックは衝撃吸収構造が不十分だったため、これらの車両が一般的な乗用車に衝突すると、ボンネットの上に乗り上げてしまう危険な事故が頻発していた。
しかし、2009年以降、IIHSが主導する自主的な取り組みの一環として、自動車メーカーはSUVやピックアップトラックのフロントエンドを他の乗用車の衝撃吸収ゾーンに一致するように改良し、衝突両立性を向上させた。また、車両の構造を強化し、T字型衝突から乗員を保護するために、すべての車両にサイドエアバッグを標準装備した。
これらの対策により、SUVとピックアップトラックは以前に比べ、他の車両に対する危険性が大幅に低下した。
今回の研究では、乗用車、SUV、ピックアップトラック間で発生した2台の車両による衝突事故を調査し、2011~2016年および2017~2022年のふたつの期間を対象に、登録車両年数100万台あたりのドライバー死亡率を計算した。その結果、全体的に車種間の衝突両立性が改善し続けていることが確認された。