「大型車 = 安全」はウソだった? 車重1.8トン超えはむしろ危険? 走る凶器? 死亡率7人増の現実データ、米国研究が指摘する意外なリスクとは
「大きい車ほど安全」という常識に疑問を投げかける米国道路安全保険協会(IIHS)の新研究。車両重量の増加が安全性向上に寄与するのは一定の範囲にとどまり、それ以上の増加は衝突事故時に相手車両への危険性を高めることが明らかに。大型車選択のリスクとは。
大型車のリスク、衝突で顕在化

例えば、平均車重を超えるピックアップトラックの場合、車重が500ポンド増加すると同乗者の死亡率はひとり減少するに過ぎないが、衝突相手車両の死亡率は7人増加することが明らかになった。つまり、車重が約1.8t以上の車両は、たとえ人員や荷物で車重が増えても
「運転者や同乗者の安全性」
が向上するわけではない。しかし、衝突事故時には相手車両に与えるダメージが著しく増大する。これが、まさに“走る凶器”と呼ばれる所以である。
IIHSの上級統計学者で論文の主筆であるサム・モンフォート氏は次のように説明している。
「平均より重い車両は、それより軽い車両と衝突する可能性が高く、平均より軽い車両の場合はその逆になります。この分析が示しているのは、きわめて重い車両を選択しても、安全性が高まるわけではなく、むしろ他人にとっての危険性が高まるということです」
また、IIHSのデビッド・ハーキー会長は
「米国のドライバーにとって、大きい方が安全なら、より大きい方がさらに安全だというのが常識です。(しかし)今回の研究結果は、それが今日では真実ではないことを示しています。相手車両に乗っている人にとってそうではなく、そしてこれが重要なのですが、大型車の乗員自身にとってもそうではないのです」
と語っている。例えば、平均車重より重い2tの乗用車同士が衝突した場合、平均車重同士の衝突よりも、どちらの車両でも死亡率がふたり増加することがわかっている。衝突事故においては、自分の車の安全性だけでなく、
「相手車両に及ぼすダメージ」
にも十分配慮する必要がある。もし相手を死亡させてしまった場合、法律上の重大な責任を負うことになる。大型車両が“走る凶器”になり得るリスクを深く認識することが求められる。