埼玉スタバを巡る反対運動! 地元議員「なにも説明されていなかった」と吐露、年間18万人集客のはずが…市長の手続き拙速すぎたのか?

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行田市で進行中のスターバックス出店計画が地域経済や住民生活に波紋を広げている。駐車場縮小問題や地域特性との調和を巡る対立が生じる一方、市民の間では「行田にもスターバックスが必要」との声が強まっている。

日本遺産の街と外資系カフェの相克

ヴェールカフェ(画像:写真AC)
ヴェールカフェ(画像:写真AC)

 現在、全国の公園ではスターバックスやブルーボトルコーヒーをはじめ、さまざまな飲食店の出店が一般的になっている。しかし、公園のような

「公共空間」

に特定企業の商業施設を設けることの是非は依然として議論の余地がある。ただ、今回の行田市のケースは、それ以前の問題といえる。前述のように、市が水城公園内への飲食店誘致を決めた理由は、「すぐにできる取り組み」だったからだ。

 行田市の強みは、埼玉の地名の由来となった埼玉(さきたま)古墳群や忍城など、歴史的な観光資源にある。現在、公園内にあるヴェールカフェも、建物の持ち味を生かし、レトロな雰囲気を演出して集客を図っている。

 また、行田市は埼玉県で唯一、「日本遺産を巡り、歴史と出会うウォーカブルなまち」として日本遺産に認定されている。市は「市内中心部の景観も歴史を感じられるものとなっており、まち歩きもできる」としており、レトロ建築を生かした回遊性の向上が課題となっている。こうした背景を踏まえると、都会的な雰囲気の強いスターバックスが

「歴史的景観と調和するかどうか」

は慎重に考えるべき点だ。スターバックスそのものが問題なのではなく、重要なのは地域特性との調和である。例えば、京都市内にあるスターバックスは、町家建築に合わせたデザインを採用し、景観に溶け込む工夫を施している。行田市においても、単なる誘致ではなく、地域の特性を生かした店舗設計が求められるだろう。

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