埼玉スタバを巡る反対運動! 地元議員「なにも説明されていなかった」と吐露、年間18万人集客のはずが…市長の手続き拙速すぎたのか?
行田市で進行中のスターバックス出店計画が地域経済や住民生活に波紋を広げている。駐車場縮小問題や地域特性との調和を巡る対立が生じる一方、市民の間では「行田にもスターバックスが必要」との声が強まっている。
訪問率7%の現実、水城公園の低迷

この問題を考える上で、まず出店予定地である水城公園の役割と特徴を整理する必要がある。この公園は、1964(昭和39)年に忍城の外堀を利用して整備された都市型公園である。模擬天守や博物館がある忍城本丸跡(忍公園)とは数百m離れている。
では、この公園はこれまでどのように利用されてきたのか。行田市の公式ウェブサイトには少し古いが、2014(平成26)年に行田市観光案内所が実施したアンケート結果が掲載されている。このアンケートでは、回答者58人のうち水城公園を訪れると答えたのはわずか
「4人(約7%)」
に過ぎなかった。
・古代蓮の里(32人、55%)
・さきたま古墳公園(18人、31%)
・忍城址・郷土博物館(15人、26%)
と比べても、極めて少ない数字である。さらに、水城公園を訪問予定だった4人はいずれも埼玉県外からの観光客で、地元住民や近隣市町村からの利用はほとんど見られなかった。公園の利用状況を分析するには、他の観光施設との比較が不可欠だ。しかし、このアンケート以外に公園利用者数を示すデータはなく、推測するしかない。
限られた情報から読み取れるのは、水城公園は観光客にとっても地元住民にとっても
「訪問頻度が低い施設」
であるということだ。忍城址・郷土博物館を訪れた人々の多くも、水城公園には足を運んでいない。このことからも、公園の集客力の弱さが浮き彫りになる。
この課題に対し、レトロな建物を移築してカフェをオープンさせた施策には一定の合理性がある。加えて、ブランド力の高いスターバックスの誘致も、公園の集客力向上を狙ったものだろう。しかし、
・都市計画
・地域性
の観点から見ると、なぜ全国チェーンのスターバックスが選ばれたのかという疑問は残る。