「1日も早く開通を」 北陸新幹線“大阪延伸”を半世紀以上待ち続けた小浜市! 若狭を覆う焦燥感、「原発なしでは発展なかった」と地元民ホンネ

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北陸新幹線小浜・京都ルートの着工時期が未定の中、経由地となる福井県小浜市や若狭地方の人口減少は止まらない。全線開通まで最長26年とされるなか、この地域の維持が可能かが問われている。

閑散とする中心商店街

北陸新幹線(画像:写真AC)
北陸新幹線(画像:写真AC)

 北陸新幹線小浜・京都ルートに着工のめどが立たないなか、経由地となる福井県小浜市など若狭地方の人口減少が止まらない。最長26年とされる全線開通まで地域を維持できるのか。

 駅舎を出ると目の前に商店街が見える。北と北西の2方向に昔ながらのアーケード街が続くが、シャッターを閉めた店舗や空き地が少なくない。福井県若狭地方の中心都市・小浜市にある小浜駅通り商店街。寒波が去って春の日差しが出てきた3月上旬の週末、昼どきというのに、行き交う人はまばらだ。

「昔は多くの人が買い物や食事に集まり、人でいっぱいだったのに」

駅で列車を待つ70代の女性が寂しそうに笑う。商店街は1963(昭和38)年、約120店で振興組合を発足したが、今は加入店が3分の1ほどに減った。65歳以上が全人口に占める割合を示す高齢化率は2024年4月現在、小浜市全体で33.5%。商店街も店主の高齢化による閉店が続いている。

 商店街の西に国指定の小浜西組重要伝統的建造物群保存地区がある。約19haの街並みは明治時代初期に当たる1871(明治5)年の地籍図とほぼ同じで、町家や土蔵、寺社など約300の伝統建造物が並ぶ。

 歩いて感じるのは小京都の雰囲気。鯖街道の起点として古くから日本海の物産を京の都に送り続けてきたことから、京文化の影響を受けてきたのだろう。京都市に殺到する訪日外国人観光客に好まれそうな場所に見えたが、訪日客と出会うことはなかった。

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