地元商店街vsショッピングモール! 「駐車場」充実で商店街は復活する? 高松の商店街「4500台」が生んだ奇跡、無料時間60分がカギか?
高松中央商店街の成功要因として注目されるのは、その充実した駐車場の確保。香川県のクルマ社会を背景に、駐車場数約4500台が集客に大きく貢献している。自家用車保有台数の多い地域で、無料または低料金の駐車場を提供することが、商店街の賑わいを支える重要な要素となっている。
早期の駐車場拡充が導く繁栄

なぜ高松中央商店街は駐車場を設けて郊外店に対抗することに成功したのか。それは、何よりも早期の対応がカギだった。高松中央商店街の中核をなす丸亀町商店街は、1968(昭和43)年にアーケード化とカラー舗装を施している。しかし、1980年代にはすでに老朽化が進み、暗さが問題となっていた。そこで、1984年にはアーケードの新装を行い、同時に駐車場の拡充にも取り組み始めた。
その背景には、高松市の商店街がJR高松駅などから距離があり、集客に不利な立地にあるという欠点があったためだ。このため、早期に駐車場を整備し、客足を確保する必要があったことが、商店街の繁栄につながったといえる。1995(平成7)年時点で、商店街の駐車場の収容台数は約450台(『流通サービス新聞』1995年6月27日付)だったが、現在では約4500台にまで拡充されている。この拡充の努力がいかに熱心だったかがわかる。
しかし、駐車場の整備において重要なのは「量」だけでなく「質」も関わってくる。単に駐車場を設置するだけでは不十分であり、できる限り「無料」または「低料金」で提供することが集客に結びつく。実際、駐車場の有料・無料の違いが売上に大きな影響を与えるのだ。