自動車ユーザーは「財務省」のATMなのか? 9種類9兆円の重税で地方経済崩壊の危機! 課税根拠なき搾取を考える
自動車にかかる税負担は、国民の生活と経済に深刻な影響を及ぼしている。現行の自動車関連税は9種類、総額9兆円規模にも上り、その構造は複雑怪奇だ。さらに、財務省と総務省は新たな環境自動車税導入を模索し、国民負担を一層重くしようとしている。地方経済が車に依存する現実を踏まえれば、これらの税制改革は急務だ。今こそ、自動車ユーザーと物流を支える車両に対する過剰課税の実態を明らかにし、税負担の適正化を求めるべきではないか。
意味不明な暫定税率が維持された理由

国民民主党や立憲民主党は、ガソリン税(揮発油税 + 地方揮発油税)の「暫定税率」を廃止しようと動いている。
暫定税率という言葉自体耳慣れない用語であり、説明が必要だろう。1953(昭和28)年、田中角栄らを中心に、全国に道路を整備するために「道路特定財源」が法整備された。要するに道路をつくることを目的とした税金である。
・ガソリン税
・石油ガス税
・軽油取引税
・自動車重量税
・自動車取得税
がこれにあたる。この道路特定財源は、全国にある程度道路網を敷き終わったということで、小泉政権のころに廃止方針が打ち出され、2009(平成21)年に廃止、一般財源化された。これにより、道路特定財源時代の諸税は
「課税根拠」
を失ったわけである。また、1973~1977年の道路整備五カ年計画における財源不足に対応するために、「2年間の暫定措置」として揮発油税、地方道路税、自動車取得税、自動車重量税の増税がなぜか恒久化され、課税根拠のない現在ですら維持されているのである。これを徴税側のご都合主義といわずして何というのだろうか。
さらにいえば、上記道路特定財源のうち、自動車取得税は業界の強い要望により廃止されたが、同時に自動車税・軽自動車税に、取得時に「環境性能割」なる税金が賦課されることとなった。つまりは付け替えである。もともと課税根拠がないにもかかわらず、廃止せざるを得なくなると別の税金を課して付け替える。
「財務省の横暴」
である。