「のぞみ」現行ダイヤで、静岡・浜松停車の「ひかり」に置き換えられる? リニア名古屋開業前でも可能か?

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リニア中央新幹線の名古屋開業を控え、静岡・浜松の東海道新幹線停車本数増加が議論に。現行ダイヤで十分対応可能との分析が示唆され、所要時間に与える影響は最小限であることがわかった。

静岡停車数増加のカギ

東海道新幹線(画像:写真AC)
東海道新幹線(画像:写真AC)

 2025年1月30日、静岡県の鈴木康友知事とJR東海の丹羽俊介社長が面会した際、丹羽社長が「リニアの名古屋開業後はひかりの静岡・浜松停車を1時間2本に増やす」と発言し、大きな注目を集めた。

 また、国土交通省は2023年10月20日に、リニア中央新幹線の開業にともない、東海道新幹線が静岡県内の駅に停車する回数を1.5倍に増やした場合、10年間で1600億円以上の経済効果が見込まれるとの試算を発表した。それに対し、静岡県の川勝平太知事(当時)は

「単なる頭の体操」
「国にダイヤの決定権がなく実現できるかどうかわからない」
「そうしたことを10か月かけてやったことは、お粗末であり呆れている」

とコメントしたが、この時点で静岡県内の停車本数増加への期待が少しずつ高まってきた。

 筆者(北村幸太郎、鉄道ジャーナリスト)は東海道新幹線に乗るたびに、スマートフォンのGPSアプリで速度を計測したり、こだまに乗って停車から列車の追い抜き通過までの時間を測ったりといったことを繰り返し、1時間に1本ものぞみを静岡駅に停める余裕が本当にないのかと疑問に思っていた。

 さまざまな観点から検証した結果、リニアの名古屋開業を待たなくても、ほぼ現行とおりのダイヤで一部ののぞみを静岡または浜松に停車するひかりに置き換えることは十分可能であることがわかった。今回はその検証内容を公開する。

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