「どうせ自分なんて」 運送会社の社員はなぜ“自己肯定感”が低いのか? 業界構造に潜む危機に迫る
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運送従事者は頭が悪い──こういった書き込みが、Yahoo!ニュースのコメントなどで散見される。そんなことはない。運送従事者には地頭の良い人が多いと筆者は思う。足りないのは、地頭の良さをビジネスに活用するテクニックだ。
自己肯定感を持ちづらい負の連鎖
「俺はホワイトカラーだ。お前みたいな肉体労働者に、あれこれ言われる筋合いはないんだよ!」
トラックドライバーだった頃、私がアルバイトに来たサラリーマンに注意したところ、逆ギレされたことがある。私の注意の仕方も悪かったのだろうが、トラックドライバーに限らず、肉体労働系の職業従事者イコール頭が良くないという差別は、昔からあった。
こういった職業差別意識は、やがて当人たちの意識も侵食し、自己肯定感の低下につながっていく。
運送従事者は頭が悪い──そんなことは決してないし、そんなことは言わないでほしい。だが、「論理思考能力」の観点で言えば、運送業界には、その訓練が足りていない人も多くいるだろう。
だが安心してほしい。逆に言えば、訓練とテクニックを身に付ければ、論理思考能力は向上させられるものだ。
次号では、筆者が実践した、従業員に対し論理思考能力を育てる方法を紹介しよう。