「どうせ自分なんて」 運送会社の社員はなぜ“自己肯定感”が低いのか? 業界構造に潜む危機に迫る

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運送従事者は頭が悪い──こういった書き込みが、Yahoo!ニュースのコメントなどで散見される。そんなことはない。運送従事者には地頭の良い人が多いと筆者は思う。足りないのは、地頭の良さをビジネスに活用するテクニックだ。

知識はチカラだが、表現できなければ役に立たない

 実は筆者自身、このような驚きを経験したことがある。

 トラックドライバーだった頃、筆者は会社の愚痴ばかり言っている、嫌な奴だった。中途半端に口が達者だったことも良くなかった。キツイ仕事があれば、営業や配車担当者、所長らに食ってかかっていた。

 筆者の目が覚めたのは、トラックドライバーを辞め、営業会社に転職してからである。筆者は、会社から財務を学ぶことを命じられた。財務を学ぶことで、仕事に対する意識も変わっていった。

「キツイ仕事」を従業員に強いるのは、経営の問題であり、営業の問題であることも分かってきた。そのことが分かると、言うべきは愚痴ではないことが、腹に落ちるようにストンと理解できた。

 次に感じたのは、筆者の中にある問題意識を言語化できないジレンマだった。

 やるべきことは分かる。だが、それをうまく表現できない。アイデアを営業施策として上申しても、不備を指摘され、「もっと考えろ!」と言われ、突き返される千本ノック状態が続いた。

 だが、「考える」ことも一種の筋トレである。やがて、上司や仲間を納得させられる営業施策を考えることができるようになった。

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