オーバーツーリズム議論は時代遅れ!「インバウンド多い = 社会問題」ではなく、適切な管理がカギ! 日本に求められる「バランスの取れた観光」とは
日本の観光政策は、単なる観光客数の増加にとどまらず、地域との調和を重視した持続可能な発展が求められている。観光地ごとの「バランスの取れた観光」の実現に向け、地域経済、環境、社会の三つのバランスを如何に保つかが重要な課題となる。
「経済」「環境」「社会」観光三要素の調和
観光業のバランスとは、単に
・観光客の数
・地域の許容量
を比較することにとどまらない。それは、経済、環境、社会という三つの側面が調和しているかどうかに依存している。
経済的なバランスは、観光収益が地域経済にどのように還元されるかに関わる。環境的なバランスは、観光が地域の自然や文化に与える影響を測るものであり、社会的なバランスは観光客と地元住民が共存できるかどうかにかかっている。
これら三つのバランスが崩れれば、それは「バランスを欠いた観光」となり、地域に長期的な負荷を与えることになる。
例えば、京都の嵐山や伏見稲荷は観光客で溢れ、地元住民の生活が圧迫されている。一方で、長野県の小さな温泉地や瀬戸内海の離島などは、観光による経済効果が十分に波及せず、宿泊施設の維持すら難しい状況にある。これらの事例は、いずれも「バランスを欠いた観光」の例である。