オーバーツーリズム議論は時代遅れ!「インバウンド多い = 社会問題」ではなく、適切な管理がカギ! 日本に求められる「バランスの取れた観光」とは

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日本の観光政策は、単なる観光客数の増加にとどまらず、地域との調和を重視した持続可能な発展が求められている。観光地ごとの「バランスの取れた観光」の実現に向け、地域経済、環境、社会の三つのバランスを如何に保つかが重要な課題となる。

観光政策の転換期、質へのシフト

観光名所(画像:写真AC)
観光名所(画像:写真AC)

 日本の観光政策は、長年「インバウンドの数を増やす」ことに重点を置いてきた。特に2010年代後半には、訪日インバウンドの増加が政府の重要な経済戦略となり、2019年には年間3188万人という過去最高の数字を記録した。

 しかし、この急速な成長の裏で「観光公害」という問題が浮上した。京都や鎌倉では、観光客の増加により交通渋滞やゴミ問題が悪化し、住民の不満が高まった。また、北海道の美瑛町では、インバウンドが私有地に無断で立ち入る事例が頻発し、住民との摩擦が生じている。

 こうした課題を受けて、近年では「量から質へ」という新たな方向性が掲げられている。単に観光客数を増加させるのではなく、地域ごとの適切な観光のあり方を見直し、持続可能な観光モデルの構築が求められている。では、具体的にどのような方法が考えられるのだろうか。

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