独身で「ミニバン」はおかしい? ファミリーカーにポツンと一人だけ… 身分不相応or賢い選択? クルマ選びは人生の節目だけで決まるべきなのか
「独身なのにミニバン?」という疑問は、今や過去の価値観に過ぎない。実際、2022年の調査では約6割が子どもができた際にミニバンを希望しており、家族向け車種の枠を超えた選択肢として注目されている。ライフスタイルに合わせた移動空間の最適化が進み、クルマは単なる移動手段から、個人の価値観を反映する道具へと進化を遂げている。
ライフステージ無視のモビリティ選択

「独身なのにミニバンに乗っているの?」
独身でミニバンを愛用している人は、知り合いからこんな言葉を何度も聞いたことがあるかもしれない。
確かに、ミニバンは一般的に「ファミリーカー」として知られている。子どもの送り迎えや週末のレジャーに便利な3列シートの広い車内は、どうしても家族向けという印象が強い。
ファブリカコミュニケーションズ(東京都港区)が運営するウェブマガジン「CarMe」および動画メディア「CARPRIME」が2022年6月に発表した「子供とクルマに関するアンケート」の結果(日本全国の男女300人対象)では、
「子供ができたら欲しいクルマのボディタイプ」
について尋ねたところ、約6割の回答者がミニバン・ワンボックスや軽自動車を希望していることがわかった。具体的には、
・ミニバン・ワンボックス:32.3%
・軽自動車:31.3%
・ステーションワゴン:13%
・SUV・クロカン:13%
であり、ミニバンが子どもができた際に選ばれる車として人気を集めていることが明らかとなった。
しかし、ミニバンと独身という組み合わせに対して抱かれる「おかしい」という感覚は、果たして本質を突いているのだろうか。クルマはライフステージ(人生の節目)に合わせて選ぶべきものなのだろうか。こうした疑問を通じて、モビリティにおける価値観の変化を考える必要がある。