「パンデミックの悪夢」では終わらなかった! コロナが海運業界にもたらした試練とは? コンテナ不足・運賃高騰…貿易額過去最高の裏側を考える
現状と回復への取り組み

国際貿易は、2020年に新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で停滞した。しかし、2021年には経済や社会活動の制限が緩和され、パンデミックやロックダウンの反動もあり、貿易額は前年比26.2%増の21兆7500億ドルを超え、過去最高を記録した。2022年にはロシアのウクライナ侵攻も影響し、さらに貿易額が上昇。2023年にはインフレと高金利の影響で一時的に前年比マイナスとなったものの、依然として20兆ドルを超える高水準を維持した。
2024年はその反動で再び世界貿易が回復すると見込まれる。貿易額の上昇は顕著だが、貿易量の伸び率は低く、エネルギーや食料価格の高騰が全体の貿易額を押し上げた要因と考えられる。世界情勢の影響を受けやすい業界ではあるが、価格高騰の要因として最も大きかったのは、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響だろう。
新型コロナウイルスのパンデミックを契機に、海運業界ではデジタル化や自動化の導入が進んだ。インフラや物流分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として、検疫を集約する可能性のある港湾にライブカメラを設置し、リモートかつリアルタイムで船舶周辺の情報を収集できるようになった。これにより、関係者の感染リスクを軽減する取り組みが加速している。
クルーズ船業界は、新型コロナウイルスの蔓延によって深刻な打撃を受けたが、欧州ではいち早く国際クルーズが再開し、日本でも2023年3月から本格的な運航が始まった。郵船クルーズはクルーズ市場の回復を見越し、2021年に新たな客船の造船契約を締結。2025年夏に就航予定の「飛鳥III」は、日本初のLNG燃料クルーズ船として2025年1月18日に進水した。商船三井クルーズも2023年に新たな客船を購入し、2024年12月に就航。さらに、2022年には2隻の新造船建造を決定するなど、業界には明るいニュースが続いている。