「容姿端麗」「愛嬌あり」 キャビンアテンダントの“女性らしさ”はなぜ長年「商品化」されてきたのか? フジテレビ女子アナ問題を通して考える! もはやアイドル化の指摘も

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戦後、日本社会は女性の職業を「商品」として扱い続けてきた。特にCAや女子アナは「企業の顔」として消費され、特に90年代以降、若さとルックスが価値の中心となった。しかし、近年はこの構造に変化の兆しも見える。例えば、フジテレビの女子アナ採用を巡る問題は、単なる一企業の課題ではなく、メディア業界全体の構造的問題を浮き彫りにする。今、女性のキャリアは本当に「商品」から解放されつつあるのか──。

SNS時代に揺らぐ憧れの職業

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 2000年代に入ると、両職種を取り巻く環境は大きく変化していった。

 航空業界では、格安航空会社(LCC)の台頭が既存の価値観を揺るがした。航空会社各社は次第に身長や体重の基準を撤廃し、「見られる存在」としての縛りも緩和されていった。

 放送業界でも変化は著しかった。2000年代に入り、YouTubeやSNSの普及によって情報発信の形が多様化。かつて「憧れの存在」だった女性アナウンサーの独占的な地位も相対化されていった。

 今回のフジテレビの女子アナ問題が大きな反響を呼んだのは、同局にいまだ古い価値観が根強く残っていたことへの衝撃が大きかったからだろう。

「見られる存在」として女性を商品化することは、すでに時代遅れの価値観となっている。2023年に航空連合が実施した調査では、CAの

「71%」

が無断撮影などの被害を認識していると報告。「見る/見られる」という非対称な関係への問題意識は、すでに社会的な共通認識となっている。

 1951(昭和26)年のJAL「エアガール」募集から70年以上。メディアや航空業界における女性の「商品化」は、時代とともに形を変えながらも続いてきた。しかし、「憧れの職業」として美化されてきたこの構造自体が、いま厳しい視線にさらされている。

 なお、2024年10月28日には週刊女性PRIMEが「「CAをなんだと思ってるんだ」ANAが“乗務員アイドル化”に猛反論、公式が答えた長文説明」という記事を配信している。

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