「だいたいお前のところは!」運送業界を虐げる荷主のパワハラ、怒鳴られ15分直立不動で立たされるケースも! 日本郵便・違約金問題から見える荷主と運送会社の歪んだ関係とは

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日本郵便が配達委託事業者に課していた異常(と断言しよう)な違約金が問題になっている。この事案は氷山の一角に過ぎず、元請けや荷主が実際に配送を行う運送会社を虐げるのは運送業界の悪しき慣習だ。

今こそ求められる「信義誠実の原則」

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 いずれにせよ、これまで紹介してきたような荷主が実際の配送を行う運送会社に対して、精神的または金銭的に虐げる行為は、優越的地位の濫用に該当し、商道徳の基本とされる信義誠実の原則に反している。信義誠実の原則は、民法第1条2項において

「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」

と明確に規定されている。それにも関わらず、この原則が意外と知られていないように思う。これもひとつの課題だろう。

 運送会社は、荷主に対して立場が弱く、不誠実で高圧的な荷主の行為に泣き寝入りしてきた。最近では、こういった荷主に対して毅然とした態度を示す運送会社の経営者が増えてきている。しかし一方で、取引打ち切りなどの報復措置を恐れ、自ら行動を起こせないものの、トラックGメンや公正取引委員会といった公的機関による摘発に期待する声もある。また、筆者のようなライターやメディアに対して、

「特定の荷主企業を糾弾する記事」

を依頼してくる物流関係者もいる。特定の企業を糾弾する記事の是非は議論が分かれるが、確かにメディアが報じることも大切だ。

 しかしそれ以上に重要なのは、運送業界に蔓延る荷主・元請による不埒な行為を、もっと適切に、もっと広く取り締まるための

「法整備」

を進めることだろう。今国会では改正下請法が公布される予定だ。さらに、公正取引委員会には、本稿で紹介した弁済金や違約金の適正な運用方法を広く周知してほしい。

 ドライバー不足が深刻化し、さらに物流の2024年問題のような物流クライシスが起きている今、メーカーや卸、小売などの荷主、あるいは元請となる大手物流事業者にとって、実際に運送を担う運送会社と良好なパートナーシップを築くことは、ビジネスを継続するために不可欠だ。

 もし、本稿で挙げたようなエピソードに心当たりのある荷主がいるのであれば、今すぐ態度を改めたほうがよい。時代は変わりつつあるのだ。

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