交通・物流が機能不全 「ウクライナ侵攻」からモビリティ業界が学ぶべき教訓とは
ロシアによるウクライナ侵攻から1か月余り。その影響は世界の交通網や日本経済へと広がりを見せている。有事の際、海外拠点を持つ企業はどのような対処法を採るべきか。
現地社員と家族は即座に退避を
今回のウクライナ情勢は、当初は現地に滞在する邦人を退避させることに焦点が集まったが、時間の経過とともにその焦点は空爆や避難民の増加など現地の戦況に関するものにシフトしていった。
要は、海外に社員を派遣する企業としては、メディアで戦況ばかりが報道されるような時期まで社員やその帯同家族を現地に置いてはならない。
戦争状態になるか否かは別にして、事前にその蓋然(がいぜん)性が高ければ、外務省が危険情報を上げる前にでも避難を本格化させることが重要だろう。
米中対立や今回のウクライナ情勢のように、海外に展開する企業を取り巻く国際的な安全保障環境はより厳しさを増している。日本にとってもより厳しい環境である。
今後も国際社会を震撼(しんかん)させるような事態が発生する可能性は十分にあるが、企業としては地政学リスクを過剰に心配するのではなく、冷静に状況を見極め、必要な際にはできるだけ早急な対応が取れるよう危機管理意識を持って世界情勢を見ていくことが重要となる。