クルマ用「灰皿」なぜ売れている? 喫煙者減少でも「年平均13.6%」成長のワケ 規制強化・進化した機能が生む新たなニーズとは
喫煙率は減少傾向にあるが、運送業などのドライバーの半数が習慣的に喫煙している現実がある。喫煙場所の制限が強化される中、車内での喫煙を選ぶ人々が増えており、車内用灰皿の需要は依然として存在している。最新の灰皿は機能性とスタイリッシュさを兼ね備え、今後も市場の成長が期待される。
標準装備ではなくなったクルマの灰皿

ドライバーのなかには、車内で喫煙をする人もいるだろう。
健康・体力づくり事業財団(東京都港区)のウェブサイト「最新たばこ情報」では、成人喫煙率がまとめられており、昭和40年代以降のピーク時にあたる1966(昭和41)年の喫煙率は、83.7%とある。
この時代は、タバコの健康への影響についての認識が低く、電車やバスといった公共交通でも喫煙が許可されていた。また、車には標準装備として灰皿が設置されていた。
しかし、2007(平成19)年6月に「がん対策基本計画」が策定され、2008年頃から灰皿の標準装備が廃止される方向へと進んだ。そのため、現在では灰皿を搭載した車はほとんど見かけなくなった。
実際、カレント自動車(神奈川県横浜市)が2023年に行った調査によると、旧車(2010年以前の車)に関連して最も多く挙げられた装備は「シガーライター&灰皿」で、113票を集めた。この装備は、今では懐かしさを感じさせる存在となっている。
一方、クインテット(東京都新宿区)によると、グローバルにおける車両用灰皿市場は、2024年から2031年までの期間において、
「年平均13.6%」
の成長が予測されている。この背景には、どのような要因があるのだろうか。