クルマ用「灰皿」なぜ売れている? 喫煙者減少でも「年平均13.6%」成長のワケ 規制強化・進化した機能が生む新たなニーズとは

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喫煙率は減少傾向にあるが、運送業などのドライバーの半数が習慣的に喫煙している現実がある。喫煙場所の制限が強化される中、車内での喫煙を選ぶ人々が増えており、車内用灰皿の需要は依然として存在している。最新の灰皿は機能性とスタイリッシュさを兼ね備え、今後も市場の成長が期待される。

喫煙者の71%が感じる不便さ

公衆喫煙場所(画像:写真AC)
公衆喫煙場所(画像:写真AC)

 車用灰皿は、今の時代にこそ必要とされることがある。その要因のひとつとして挙げられるのが、「喫煙場所の制限」である。

 2020年4月1日から、改正健康増進法が全面施行された。望まない受動喫煙を防ぐため、2019年に一部施行された「学校・病院・児童福祉施設等、行政機関の原則敷地内禁煙」に加え、多くの施設で屋内禁煙が原則となった。これにより、喫煙できる場所がさらに限られることとなった。

 実際、クリーンエア・スカンジナビア(東京都港区)が2022年に実施した喫煙者に対する独自アンケートでは、20~40代の喫煙者300人に対して、「タバコを吸う際に不便を感じることはありますか?」という質問に71%が「はい」と回答した。

 その理由として、

・喫煙できるスペースが限られている:172票)
・分煙ルールが厳しくなり、喫煙者としての肩身が狭くなった:105票)
・指定の喫煙場所に出向くのに時間がかかる:94票)

といった意見が寄せられた。

 喫煙場所の制限により、喫煙者は吸う場所を探さなければならず、周囲の視線も気にすることになる。そのため、周囲に迷惑をかけず、規制もない「車内での喫煙」を選ぶ人も少なくないだろう。このような状況では、「車内用灰皿」の必要性が高まるのは自然な流れである。

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