クルマ用「灰皿」なぜ売れている? 喫煙者減少でも「年平均13.6%」成長のワケ 規制強化・進化した機能が生む新たなニーズとは

キーワード :
,
喫煙率は減少傾向にあるが、運送業などのドライバーの半数が習慣的に喫煙している現実がある。喫煙場所の制限が強化される中、車内での喫煙を選ぶ人々が増えており、車内用灰皿の需要は依然として存在している。最新の灰皿は機能性とスタイリッシュさを兼ね備え、今後も市場の成長が期待される。

愛煙家にとって欠かせない車内用灰皿

車内でタバコを吸う男性(画像:写真AC)
車内でタバコを吸う男性(画像:写真AC)

 厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、2008(平成20)年の喫煙率は男性36.8%、女性9.1%であり、1966(昭和41)年頃と比較して減少傾向にあった。この傾向は現在も続いており、2023年には習慣的に喫煙している人の割合が15.7%となり、直近10年間で男女ともに減少していることが確認されている。

 喫煙者が減少していることから、自動車の標準装備としての灰皿は、トヨタ・ハイエースなど一部の車両にのみ搭載されるようになった。

 しかし、心幸ウェルネス(兵庫県尼崎市)が2022年に実施した調査によると、運送業のドライバーの半数が習慣的に喫煙していることが明らかになった。国民全体で見ると喫煙率は減少しているものの、運転を生業とする人々の喫煙率は依然として高いといえる。

 このことから、車内でタバコを吸う人が一定数存在する可能性が考えられる。運送業者に限らず、長時間の運転を強いられると、リフレッシュしたいという欲求が湧くものだ。その際、喫煙者にとってタバコは

「車内でリフレッシュできる最適なアイテム」

として機能することがある。

 実際に、NEVER(東京都豊島区)がThe Thirdと共同で2024年に行った「タバコを吸う目的」に関するアンケート結果によると、「ストレス解消や気分転換として」が66.4%で最も多い回答となった。また、「習慣だから」との回答も24.4%に達し、「長年吸っており習慣化している」「習慣化されてやめられない」といったコメントが寄せられた。

 タバコの依存性が高いため、禁煙が難しいことを考慮すると、車内用灰皿の需要が完全になくなったわけではないと断言することはできない。

全てのコメントを見る