電動スライドドアで子どもがケガ!? 事故データで判明…「指挟まれ」10件、「頭挟まれ」4件 市場急成長の裏に潜む危険と安全対策とは

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パワースライドドアは、子育て世帯にとって便利な機能として人気を集め、今後24億5000万米ドルに達する市場の成長が予測されている。しかし、便利さゆえに挟み込み事故のリスクも増加。子どもを守るためには、安全な使用法を理解し、注意深く操作することが不可欠だ。

便利さの裏に潜むリスク

パワースライドドア(画像:写真AC)
パワースライドドア(画像:写真AC)

 自動車に搭載される機能のなかには、手動から電動へと進化することで、より便利になったものが多い。その中でも、後部座席のドアに多く採用されている「スライドドア」は、電動化によってさらに使い勝手が向上した代表的な例だ。

 電動スライドドアは「パワースライドドア」と呼ばれ、ボタンひとつでドアの開閉が自動で行える。この便利さから、特に子育て世帯に人気のあるミニバンや軽自動車に多く搭載されており、子どもを抱えたままでも簡単に乗り降りができる。

 こうした利便性が評価され、自動車用パワースライドドアシステム市場は今後の成長が期待されている。グローバルインフォメーションの海外市場調査レポート「自動車用パワースライドドアシステムの世界市場 2024-2028」によると、この市場は2023年から2028年にかけて24億5000万米ドルに達し、年平均成長率は13.42%と予測されており、今後も市場は拡大し続けることが見込まれている。

 一方で、その便利さゆえに、無意識に操作したり、注意を怠ったりすることで挟み込み事故が発生する可能性がある。特に子どもが関わる場面では危険をともなうこともあるため、パワースライドドアの取り扱いには十分な注意が求められる。

 では、パワースライドドアを安全に便利に使うためには、どのような点に気をつけるべきだろうか。子育てをしている筆者(小島聖夏、フリーライター)が、実際の経験をもとに考える。

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