電動スライドドアで子どもがケガ!? 事故データで判明…「指挟まれ」10件、「頭挟まれ」4件 市場急成長の裏に潜む危険と安全対策とは
スライドドア事故、実態とリスク

パワースライドドアは便利な機能だが、確認せずに使用すると事故に繋がる可能性があるため、十分な注意が必要だ。
東京海上日動火災保険(東京都千代田区)のウェブサイトに掲載された消費者庁の「事故情報データバンクシステム」(2023年3月30日時点)によると、2009(平成21)年から2022年の間に発生した「スライドドアの挟まりによる事故」は22件にのぼり、そのうち19件で負傷が確認されている。負傷内容は、手指が10件、頭が4件、足が3件であり、特に子どもが14件と多くを占めている。
さらに、ネット上では次のような事例が報告されている。
「自動スライドドアのモーター不良により、ドアを開けている時に勝手に閉まったため子どもが挟まれた」
「子どもがパワースライドドアを開けて降りようとしたら、途中で閉まり反対方向に動きだし、子どもが挟まった」
「左後席で4歳の子どもが眠っていた際に6歳の娘が外から電動スライドドアを開けたところ、眠っている子どもの頭がスライドドアとクルマの側面に挟みこまれてしまった」
このように、パワースライドドアの使用においては注意を怠ると、子どもが危険に晒される可能性がある。
そのため、ドアの開閉時には必ず声掛けを行い、子どもが近くにいないことを目視で確認してから操作することが重要だ。また、ドアが動いている間は近づかず、ドアが完全に開くまで乗り降りしないことを徹底しなければならない。
理想的には、パワースライドドアを使用する前に正常に動作するか確認すべきだが、子どもを連れていると確認が疎かになることもある。
筆者は、子どもが小さい間は、外側からも内側からも子ども自身にドアの開閉をさせないことを徹底していた。ドアにはチャイルドロックがついており、内側からの開閉を防止する機能があるが、外側からは操作できてしまう。そのため、子どもがドアを操作しないようにして挟み込み事故を防ぐ対策をとっていた。