低速でも死亡? 子どもが「駐車場」で危険事故にさらされる根本理由
駐車場での事故は決して珍しくない。2021年には新潟で3歳の女の子が、2022年には奈良で1歳の女の子が軽自動車にはねられて亡くなった。SOMPOリスクマネジメントの調査によると、駐車場内での「人対車両事故」は全体の30.7%を占めており、これは歩行者の視界不良やドライバーの油断が原因とされている。子どもを守るためには、親が手をつないで一緒に歩くことや、発進前に周囲を確認することが重要だ。
なくならない駐車場での事故
2021年6月10日、新潟県三条市の保育園の駐車場で、3歳の女の子がバックしてきた軽自動車にはねられて亡くなった。2022年7月24日には、奈良県葛城市の自宅敷地内で1歳の女の子が軽自動車にはねられて亡くなるという痛ましいニュースもあった。
このように、子どもが駐車場で事故に遭うケースは決して珍しくない。ドライバーにとって、駐車場は
「気が緩んでしまう場所」
である。目的地に到着した安心感から、事故に対する意識が薄れやすくなるのだ。
SOMPOリスクマネジメント(東京都新宿区)のウェブサイトでは、毎月交通安全に関するリポートが提供されている。2022年8月号の特集「駐車場での事故」では、駐車場内の事故発生状況が詳しく掲載されている。
そのリポートによると、2021年の交通事故件数のうち、「人対車両事故」の割合は全体で12.1%だったのに対し、駐車場内では30.7%と
「約2.5倍」
も多く発生している。事故が多い理由には次のような点が挙げられている。
・歩行者やクルマの動きが不規則
・駐車車両や柱等の構造物による死角が多い
・駐車場に入ると、緊張がほぐれ油断しやすい
・駐車スペースを探すことだけに集中してしまい、周囲の状況が見えにくくなる
では、親は子どもを駐車場で事故に遭わせないためにどのような対策を講じればよいのだろうか。一児の母である筆者(小島聖夏、フリーライター)が、自身の経験をもとに考えてみたい。