彼氏が「公道カート」で爆走していました(汗) しかもインバウンドより大はしゃぎ……片手を上げて「イェーイ!」って……いろいろと大丈夫でしょうか?
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公道カートは、観光客に新たな体験を提供する一方で、日本の道路事情やインバウンドの運転マナーによる課題も浮き彫りにしている。2012年から本格運用が始まり、SNS映えするアクティビティとして人気を集めるも、交通混乱や安全性に対する懸念が高まっている。観光業の新たな魅力としての可能性と地域との調和を図るため、業界と地域社会の連携が急務だ。
観光地に潜む交通問題

しかし、公道カートの評判は一様ではない。ネット検索を行うと、
・迷惑
・危険
・法規制
といったネガティブな関連ワードが目立つ。なぜこれほどまでに批判が集まるのだろうか。
第一に、カートの走行が日本の道路事情に適していない点が挙げられる。日本の都市部は交通量が多く、道幅が狭い。そのなかで、通常の車両よりも速度が遅く、視認性が低いカートが並んで走ると、交通の流れが乱れることは避けられない。さらに、カートのエンジン音や派手な外観が周囲の注意を引き、騒音問題や歩行者の安全性に対する懸念が生じている。
第二に、インバウンドが交通ルールを十分に理解せずに運転するケースがある。30分程度の講習を受けただけで公道に出るため、信号無視や誤った進路変更といったトラブルが頻発しており、これにより地元住民や他の運転手からの苦情が増加している。
公道カートの運用が始まった背景には、日本の観光産業の変化がある。2010年代以降、インバウンドの増加にともない、従来の観光バスや電車では提供できない
「個別体験型観光」
の需要が高まり、カートはそのニーズに応える形で登場した。当初はミニバイクと同じ基準で運用されていたが、事故の多発を受けて、2020年に国土交通省が保安基準を改正し、シートベルトの装備を義務化するなどの対策が取られた。しかし、基準はまだ不十分であり、業界全体のルール整備は遅れている。