彼氏が「サイドカー」で迎えに来ました(汗) しかも親指を立てて「乗れよ」とニヤリ……素直に乗るべきでしょうか?

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仕事帰りに待ち合わせた彼氏が現れたのは、なんと「サイドカー」。その独特な乗り物に込められたメッセージとは?非日常の体験が生む新たな絆と、モビリティがもたらす感動の瞬間を考える。

「サイドカー」という選択肢

サイドカー(画像:写真AC)
サイドカー(画像:写真AC)

 仕事終わり、駅前で待ち合わせた彼氏が現れた――。でもその乗り物はバイクじゃなく、なんと「サイドカー」。しかも親指を立ててニヤリと笑い、「乗れよ」と促してくる。この瞬間、あなたは思わず足を止めてしまう。これって試練? それとも愛が深まる瞬間? 今回はこの仮のシチュエーションを想定し、論じる。

 まず、サイドカーという乗り物について考える。サイドカーはバイクの横に座席を取り付けた独特な乗り物で、その歴史は19世紀末から20世紀初頭にさかのぼる。1893年、フランスで自転車に取り付ける補助座席として初めて考案され、「側車(サイドカー)」と呼ばれた。やがてバイクの普及に伴い改良が進み、現代に至る形が整えられていった。

 1900年代初頭には英国や米国で本格的なサイドカーの生産が始まり、バイクの一部として幅広く認知されるようになった。第一次世界大戦では軍用車両として採用され、物資輸送や偵察などに活躍したほか、郵便配達、救急活動、旅客輸送といった用途にも用いられ、その機能性が高く評価された。

 戦後には家族向けの移動手段として人気を集め、自動車が普及する以前の主要なモビリティのひとつとなった。しかし、1930年代以降、自動車が手頃な価格で普及するにつれてサイドカーの実用性は次第に薄れ、現在では趣味やレジャーの一環としての存在へと変化した。

 現在、サイドカーはレトロで個性的な乗り物として愛されている。クラシックカーのようにコレクターや愛好家に注目されているほか、一部地域では観光用やイベント用としても利用され、その独特な外観と雰囲気が人々を引きつけている。

 ちなみに、NEXERとRIDEZが共同で行った「一度は乗ってみたいリッターバイク」に関するアンケート(集計対象人数428人、事前調査で「バイクが好き」と回答した全国の男女)が実施され、第3位にフォーティエイト/ハーレーダビッドソンが選ばれ、「サイドカーをつけてツーリングしたい」という意見が寄せられた。

 さて、彼氏がデートにサイドカーを選んだ理由には、単なる移動手段以上の意味があるのかもしれない。それは日常を超えた特別な体験を共有したいという、彼なりのメッセージではないだろうか。

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