最大36万円補助も! 首都圏外からの「遠距離通勤」あり?なし? 家庭事情などで選ぶ、持続可能な働き方の選択肢とは
栃木県佐野市のケース

同じ栃木県でも佐野市の場合、条件が異なる。通勤補助の金額は月額5000円で、期間は最長36か月となる。それ以上の居住が必要だ。対象者は次のとおりだ。
・佐野新都市バスターミナルから東京圏への高速バス定期券を利用する通学者・通勤者
・佐野新都市バスターミナル~東京圏間の高速バス定期券を利用する通学者・通勤者
・市内各駅~東京圏内の駅(葛生駅から直線で50kmを超えた駅)間で、鉄道定期券を利用する通学者
・市内各駅~東京圏内の駅(葛生駅から直線で50kmを超えた駅)間で、鉄道定期券と、その定期券の利用区間内でひと月に10回以上特急等を利用する通勤者
通勤だけでなく通学も補助の対象だが、電車を利用する通勤者の場合は特急利用が必須となるなど、通学者との条件に違いが設けられている。
金額は栃木市の半分、最大18万円で、「奨励金」として支給されるため、定期券が会社から全額支給されているかどうかは関係ない。このため、実質的な臨時収入になるケースが多いだろう。
高速バス通勤の利便性も考えてみたい。「マロニエ新宿号」および「マロニエ東京号」が運行されており、佐野新都市バスターミナルの始発は5時55分となる。最も通勤に利用されそうなのが次の6時55分発の便で、王子駅、池袋駅東口を経由し、バスタ新宿(新宿駅新南口)に8時35分に到着する。
マロニエ東京号は、佐野新都市バスターミナルを7時25分に出発し、王子駅を経由して東京駅日本橋口に9時00分に到着する。フレックス制度のある会社での利用に適している。
帰りの便についても、マロニエ新宿号は1時間に1本のペースで運行され、最終バスはバスタ新宿を23時10分に出発し、佐野新都市バスターミナルには0時38分に到着する。羽田・成田空港への高速バスも利用できるため、利便性が高いと感じる人も多い。
懸念点として、バスターミナルが佐野駅から少し離れていることが挙げられるが、そのアクセスには車を利用する方法もある。駐車場は24時間500円で、回数券も利用可能だ。