「車でしか行けない食堂」でアルコール提供! これってアリ? 飲酒事故2000件超の現実で問われる、ドライバーのモラルとは
アクセスが悪い場所での食堂のアルコール提供が地域振興に貢献する一方、飲酒運転による交通事故は2023年に2346件発生した。2024年11月から自転車の酒気帯び運転も罰則対象となる中、安全対策の強化が求められている。
不便な立地とアルコール提供のジレンマ

飲酒運転に対する規制は厳しくなっている。2023年の飲酒運転による交通事故件数は2346件に上った。さらに、2024年11月からは、自転車の酒気帯び運転も罰則の対象となることが決まり、
「交通アクセスが不便な場所にある食堂」
でのアルコール提供に注目が集まっている。
公共交通の便が悪い、または本数が少ない地域では、自動車でのアクセスが主流となる。特に山間部などの人里離れた場所では、その傾向が顕著だ。テレビやネットでは、アクセスが不便な飲食店が「知られざる名店」として紹介され、その独自の価値が評価されることも多い。
ただ、飲酒運転が問題となると、交通事故のリスクが高まる。
一方で、こうした食堂は、地域にとって貴重な飲食店であり、地域活性化や観光促進に貢献するという側面もある。
では、アクセスが不便な場所でアルコールを提供することは問題なのか、それとも地域振興の利点がそれを上回るのか。本記事では、この問いに対する筆者(古宮宗、フリーライター)の考えを述べながら、さまざまな視点を整理し、可能な解決策を提案する。
わざわざ書くまでもないが、ドライバーによる飲酒運転は論外であり、これを前提に話を進める。