高級志向の航空会社はなぜ破綻するのか? 「豪華サービス = 良い」という壮大な勘違い、顧客ニーズとの大ギャップを考える

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航空業界において「サービスが優れている」とは、豪華さだけでなく、適切なターゲット市場への配慮、価格設定、そして広範な路線網のバランスが必要不可欠だ。競争の激化と新興国航空会社の台頭により、従来の高級志向だけでなく、広範な市場に適応した戦略が求められている。

「選ばれる航空会社」への道筋

エコノミークラスのイメージ(画像:写真AC)
エコノミークラスのイメージ(画像:写真AC)

 今回の記事を振り返ると、航空会社にとって重要なのは、単に豪華なサービスを差別化ポイントとしてアピールするだけではなく、まだ利用したことのない人に対して

「どれだけ自分たちを選択肢に入れてもらえるか」

にかかっていると、筆者(前林広樹、航空ライター)は考える。

 例えば、サービス面で評価が高いシンガポール航空やエミレーツ航空は、豪華なファーストクラスのイメージから富裕層向けと捉えられがちだ。しかし両社ともセールなどを活用し、格安でエコノミークラスの座席を販売することで、幅広い層から顧客を獲得している。

 LCCや新興国の航空会社の台頭にともない、競争が激化し差別化が重要視される航空業界だが、差別化以前にどうやって自分たちを人々の移動手段として選択肢に入れてもらうか、を考えるマーケティングも重要な要素だといえるだろう。

 差別化と顧客への想起の関係については、引き続き調査を進めたい。

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