高級志向の航空会社はなぜ破綻するのか? 「豪華サービス = 良い」という壮大な勘違い、顧客ニーズとの大ギャップを考える
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航空業界において「サービスが優れている」とは、豪華さだけでなく、適切なターゲット市場への配慮、価格設定、そして広範な路線網のバランスが必要不可欠だ。競争の激化と新興国航空会社の台頭により、従来の高級志向だけでなく、広範な市場に適応した戦略が求められている。
ケース3:レジャー客中心の市場では価格重視

トランプシャトルやニューヨークエアのように特定路線を絞っていたわけではないが、顧客ニーズに合わなかった点では共通する事例がある。代表的なのがエア・ベルリンだ。
ベルリンやデュッセルドルフを拠点に展開していた同社は、自らを格安航空会社(LCC)と大手航空会社の中間に位置づけ、大手よりも安い運賃で機内食や座席指定などを無料で提供。機材も小型機を中心に欧州各地への路線を展開し、大型機を使用して北米、中東、東南アジアにも就航していた。
2007年に創業したヴァージン・アメリカもその一例だ。サンフランシスコを拠点に東海岸にも展開し、小型機エアバスA320シリーズを使用しながらも2クラス制を採用し、無料で利用できるエンタメ装置や機内Wi-Fiを提供するという安価な運賃と高品質サービスのバランスを取る戦略を取っていた。
しかし、両者ともサービスよりも格安運賃を求めるレジャー客が主なターゲットであり、ビジネスマン向けの高単価路線は多くはなかった。料金設定が他のLCCと比べて高めだったため、欧州ではライアンエアーやイージージェット、米国ではサウスウエスト航空などと比較すると、乗客にとって魅力的とはいい難い状況だった。
最終的にエアベルリンは2017年に倒産。ヴァージン・アメリカも2018年にアラスカ航空に吸収合併され、消滅した。