近鉄けいはんな線の延伸「凍結状態」 開業から既に約20年! 利用者から「移動が不便」の声、夢洲延伸・リニア計画で状況は変わるのか
大阪府と関西文化学術研究都市を結ぶ近鉄けいはんな線が開業してから約20年が経つ。しかし、延伸計画は現在、凍結状態だ。それでも、京都府と関係する3市町が地域公共交通計画にこの延伸を盛り込み、地域の活性化に向けて推進しようとしている。
拡大中の研究・交流拠点

学研都市は京都府、大阪府、奈良県にまたがる京阪奈丘陵にあり、1980年代から開発が続いている。愛称は「けいはんな学研都市」。
・京都府木津川市
・大阪府枚方市
・奈良県生駒市
など8市町にまたがる総面積約1万5000ha(一辺が12.2kmの正方形と同じ面積)で、12の文化学術研究地区が分散配置されている。
150以上の大学、研究施設、文化施設があり、就業する人の数は約1万人。ニュータウンといえる団地や宅地も各地に整備され、総人口約25万人、文化学術研究地区内人口約10万人に及ぶ。文化学術研究交流施設「けいはんなプラザ」、国会図書館関西館がある中心部は精華町に位置する。
けいはんな線は2006(平成18)年開業。1986(昭和61)年に近鉄東大阪線として先行開業した長田(大阪府東大阪市)~生駒(生駒市)間を含めた長田~学研奈良登美ヶ丘(奈良市)間18.8kmで、うち生駒~学研奈良登美ヶ丘間は近鉄、奈良県、生駒市など官民で設立した奈良生駒高速鉄道が施設を保有、近鉄が運行に専念する上下分離方式を取る。
長田駅では大阪メトロ中央線と接続し、近鉄と大阪メトロが相互乗り入れしている。中央線は19日、大阪・関西万博会場、IR(統合型リゾート)用地となる夢洲(大阪市此花区)へ延伸し、夢洲と学研都市が結ばれる。だが、終点の学研奈良登美ヶ丘駅は中途半端な位置だ。