なぜフランクフルトは「モビリティ天国」なのか? トラム人気、MaaSアプリ乱立……日本が学ぶべき「進化する交通事情」とは?【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(27)
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MaaSのプラットフォーム時代が続行

ドイツには2023年から始まった新幹線以外の鉄道、市内バスやトラムなどが月49ユーロで乗り放題となるドイツチケットが大人気だ。DBのMaaSアプリからも購入でき、フランクフルトのご当地MaaSからも購入可能だ。時々遭遇する検札に対しても、スマートフォンの購入画面を提示するだけでよい。
フランクフルトは、さまざまなモビリティサービスが激しい競争を繰り広げている都市のひとつだ。電動キックボードのシェアリングサービスは4社(ティア、ライム、ボイ、ボルト)が許可されており、DB社の自転車シェアリングは古くからサービスを展開しており、他にも2社(ボルト、ネクストバイク)が運営している。
また、カーシェアリング、ライドシェアリング、レンタカーなどもスマートフォンから予約、利用ができる。市内の配送の風景も変わりつつあり、アマゾン社はカーゴバイクによる市内配送を展開しており、温室効果ガスを排出しない新しい車両が街の景観となりつつもある。
市内で展開しているMaaS系のアプリをざっと数えてみると、
・コンテンツプロバイダー系(CityMapper、TripGo)
・IT系(インテルのmoovit )
・ライドシェア系(Uber)
・自動車メーカー系(FreeNow)
・公共交通系(DBナビゲーター、月49ユーロ乗り放題、1月から値上げ)
・新興系(Bolt)
・ご当地系(RMV)
そして、お馴染みのグーグルマップやアップルのマップなど10を超える混戦ぶりだ。
ライドシェアのUberアプリからは、電動キックボードのライムだけではなく、レンタカーの予約も可能であり、メルセデスベンツとBMWの合弁会社であるFreeNowのアプリからは、タクシーやライドシェアの配車だけではなく、電動キックボードのボイやボルト、カーシェアリング、レンタカーなどが予約、利用可能だ。