外出の50%以上に「クルマ」を使うと、生活満足度が低下! 米国調査で明らかになった「クルマ依存社会」の影響とは?

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米国における車社会は、ただの移動手段を超え、文化と生活の一部となっている。しかし、アリゾナ州立大学の調査によると、車依存が生活満足度に負の影響を与えていることが判明。週200マイル以上を車で移動する人々は、生活の質が低下しがちだ。この現状を打破し、交通の選択肢を増やすことが、今後の自動車文化の変革を促すカギとなる。

“車の正義”の裏側

グラント・エニス氏の著書『Dark PR: How Corporate Disinformation Undermines Our Health and the Environmen』(画像:Daraja Pr)
グラント・エニス氏の著書『Dark PR: How Corporate Disinformation Undermines Our Health and the Environmen』(画像:Daraja Pr)

 インドで政府主導の公衆衛生活動に携わり、シリアでは市民社会のプロジェクトを支援してきたグラント・エニス氏の著書『Dark PR: How Corporate Disinformation Undermines Our Health and the Environment(暗黒のPR:企業の偽情報はいかに私たちの健康と環境を損なうか)』では、

・化石燃料産業
・道路産業
・自動車産業

が、私たちの周りに存在する重要で危険な問題から目をそらすために同じ物語を使っていることが説明されている。彼らは

「ドライバーの自由を守り、拡大する」

という名目で、大規模で破壊的な高速道路プロジェクトを支持し、何十億ドルもの資金をロビー活動(特定の利益団体やグループが、自分たちの意見や要求を政府関係者や議員などに対して積極的に伝え、影響を与えようとする活動)に使っていると指摘されている。

 また、自動車への依存度を減らすためのほんの小さな試みさえ、自動車に依存している人々への攻撃と見なされる文化がすでに出来上がっているという。

 自動車は米国人を操り、“正義”であると信じ込ませ、無害なコンパクトシティさえも「野外刑務所」に変え、バスレーンや自転車レーンを

「車を渋滞に巻き込むことを狙った政府の悪意ある政策」

と考えさせているのだ。こうした“車は正義”という洗脳を解くことができるのだろうか。

 ともあれ、今回の研究は私たちの生活満足度が交通手段の選択と深く関わっており、それは単に移動に費やす時間の満足度だけでなく、生活全体に影響を与えることを示唆している。

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