外出の50%以上に「クルマ」を使うと、生活満足度が低下! 米国調査で明らかになった「クルマ依存社会」の影響とは?

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米国における車社会は、ただの移動手段を超え、文化と生活の一部となっている。しかし、アリゾナ州立大学の調査によると、車依存が生活満足度に負の影響を与えていることが判明。週200マイル以上を車で移動する人々は、生活の質が低下しがちだ。この現状を打破し、交通の選択肢を増やすことが、今後の自動車文化の変革を促すカギとなる。

文化と生活に溶け込む車の存在

アリゾナ州の風景(画像:Pexels)
アリゾナ州の風景(画像:Pexels)

 車社会の米国において、車は“正義”といえるのだろうか――。米国人の暮らしは、その喜びも悲しみも、いつも車とともにあるのかもしれない。

 1930年代から繁栄を極めたニューヨーク、特にマンハッタンの摩天楼が象徴する大都市化。その一方で、米国社会は人類史上もっとも充実した車社会を築いてきたことは間違いない。

 米国映画のなかで、車はしばしば米国文化の象徴として描かれる。ドライブを通じて物語が展開する「ロードムービー」の名作も数多く生まれている。多くの米国人にとって、車は単なる生活必需品を超えた存在だ。もはや

「セカンドネイチャー(第二の自然)」

ともいえる、空気のようなものなのだろう。彼らは車を運転しながら音楽を楽しみ、会話に花を咲かせ、ときには考え事をする。嬉しいときも悲しいときも、車のハンドルを握りながら日々を過ごしている。

 しかし、車が空気のような存在であるということは、その重要性や影響が生活のなかで見えにくくなることを意味する。車がなければ通勤や買い物が困難になることは理解しているものの、その事実さえ忘れられているのかもしれない。

 車に依存した暮らしは、人々の生活満足度にどんな影響を与えているのだろうか。

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